Q&A

花粉症に関する疑問に
お答えします

花粉症についての正しい知識を身に着けて、的確な対策を講じましょう。
Q

花粉症の発症は避けられますか?

A

花粉症は、日本人の約4人に1人が発症しているといわれ、国民病となっています。

しかし、花粉症の研究は日々進歩しており、治療法も少しずつ増えてきています。

花粉症の発症を避けることは難しいですが、花粉症による影響をできるだけ小さくするために対処することは可能です。
(鼻アレルギー診療ガイドライン作成委員会:鼻アレルギー診療ガイドライン 2016年版、p10、ライフ・サイエンス、2015)

Q

花粉症の症状が起こるのはなぜですか?

A

花粉症の症状はアレルギーが原因となります。
長い間大量に花粉を吸い込むことによって、アレルゲンを攻撃する武器であるIgE抗体が次第に蓄積されます。
体内のIgE抗体の量が増えると、「感作(かんさ)」といって特定のアレルゲンに対してIgE抗体が過敏に反応してしまう状態になることがあります。
花粉に対して「感作」が起きているときに、再び花粉が侵入してIgE抗体と結合すると、アレルギー症状の原因となる化学物質が放出され、くしゃみや鼻水、鼻づまりなどの花粉症の症状が引き起こされるのです。
(鼻アレルギー診療ガイドライン作成委員会:アレルギー性鼻炎ガイド 2016年版、p6、ライフ・サイエンス、2015)

Q

アレルギーとは何ですか?

A

アレルギーとは、人間を細菌やウイルスなどの体に害を与える外敵から守る「免疫(めんえき)」というシステムに異常が起こり、さまざまな症状があらわれた状態のことです。
免疫が正常に働いているときは、細菌やウイルス、寄生虫などの体に害のあるものが体内に入ってくると、免疫細胞がそれらを攻撃して、体から排除しようとします。
すると体内で「炎症」という反応が起こり、熱が出たり痛みやかゆみを感じたりします。風邪やインフルエンザにかかったときに熱が出るのも、免疫の働きにより体内で炎症が起こっているためです。
ところが、体にとって無害なはずの物質に対しても免疫細胞が攻撃してしまうことがあります。これがアレルギー反応です。
花粉症は、本来は無害である花粉を外敵とみなして免疫反応が働いてしまい、鼻や目などで炎症が起こっている状態なのです。

Q

花粉症はいつ頃発症しますか?

A

スギ花粉症の有病率が子どもで低く(5~9歳では13.7%)、成人では高く(30~39歳では35.5%、40~49歳では39.1%)、大人になってから発症する人も多いことからも推定されています。
(鼻アレルギー診療ガイドライン作成委員会:鼻アレルギー診療ガイドライン 2016年版、p10、ライフ・サイエンス、2015)

Q

花粉症の発症の原因は環境ですか?遺伝ですか?

A

花粉に対してアレルギー反応を起こすかどうかは、単純に花粉を吸い込んだ期間や花粉飛散量などの「環境」(外的因子)だけで決まるわけではありません。両親からの「アレルギー体質」の遺伝(内的因子)もかかわっていることがわかっています。ただし、遺伝的要素がなくても花粉症を発症する人もいれば、遺伝的にアレルギー体質であるにもかかわらず花粉症を発症していない人もいます。

このため、「環境」と「遺伝」の両方が花粉症の発症に関連していると考えられていますが、発症のメカニズムのすべてが解明されているわけではなく、
発症の原因については今なお精力的に研究が行われています。

Q

花粉症を医療機関に相談すると、何がわかりますか?

A

医療機関では、症状が本当に花粉症によるものかどうか診断され、それに適した治療法がとられます。
まずは医師による問診によって、症状が始まった時期や症状の種類や強さ、ほかのアレルギー性の病気(ぜんそくやアトピー性皮膚炎など)があるか、家族の症状、過去の治療などについてたずねられ、これらに対する回答から、医師は花粉症かどうかをある程度見極めます。
さらに、鼻の穴をひろげる「鼻鏡」という器具を用いて鼻のなかを見て状態を確認したり、X線検査(レントゲン検査)によってほかの鼻の病気がないかどうかを確認したりすることもあります。
正確に判定するうえでは、血液検査や皮膚テストが行われますが、詳しくは、「重症花粉症とは」をご参照ください。

Q

花粉症を治療していても、他の対策は必要ですか?

A

花粉症の薬を使用し始めたとしても、花粉を避ける対策をとらなければ、薬の十分な効果が得られない可能性があります。
花粉症の対策や治療のうち、どの方法を選択するかは症状の病型(タイプ)や重症度(レベル)によって異なりますが、どのような病型や重症度であっても、まず最優先で取り組みたいのが、花粉を避けることです。

Q

花粉を回避するコツを教えてください。

A

スギ花粉を回避したい場合は、以下の7つに気をつけましょう。

①花粉情報に注意する。
②飛散の多い時の外出を控える。
③飛散の多い時は、窓・戸を閉めておく。
④飛散の多い時は、外出時にマスク・メガネを着用する。
⑤外出時、けばだった毛織物などのコートの使用は避ける。
⑥帰宅時、衣服や髪をよく払い入室する。洗顔、うがいをし、鼻をかむ。
⑦掃除をなるべく行う。

(鼻アレルギー診療ガイドライン作成委員会:アレルギー性鼻炎ガイド 2016年版、p11、ライフ・サイエンス、2015)

Q

気をつけるのは、スギ花粉だけでいいですか?

A

「血清特異的IgE検査」や「皮膚テスト」の結果、スギ花粉以外のアレルゲンからも影響を受けやすいタイプだと診断された人は、スギ花粉以外のアレルゲンも避ける対策をとることが大切です。
特に、ダニ(死がいを含む)やペット(毛や皮膚がアレルゲンとなる。特にネコ)について対策をとることをおすすめします。ダニ対策はこまめな掃除や寝具の手入れ、ペットはできれば飼育しない、飼育する場合はできるだけ環境を清潔に保つ、などの対応が大切といわれています。

Q

花粉症の治療にはどんなものがありますか?

A

花粉症に対してはさまざまな治療法が開発されており、おもなものとして「薬物療法」「アレルゲン免疫療法」「手術療法」があります。

Q

花粉症の薬物療法にはどんなものがありますか?

A

花粉症に対する治療薬はこれまでに数多く開発されており、患者さんの病型や重症度に応じて医師が選択し、処方しています。主なものを下の表で紹介します。
(鼻アレルギー診療ガイドライン作成委員会:アレルギー性鼻炎ガイド 2016年版、p16、ライフ・サイエンス、2015)

Q

花粉症の薬物療法には副作用はありますか?

A

症状を抑える効果が期待できる反面、副作用があらわれることもあります。薬の種類に応じて副作用の種類も異なりますので、薬を処方されたときは医師や薬剤師の説明をしっかりと確認してください。

Q

ドラッグストアの薬でもいいですか?

A

医師の診断が大切です。花粉症と思われる症状があっても、まずは自己判断で服薬を開始せず、一度は医師の診断を受けましょう。

Q

薬が効きません。効果の高い治療法はありますか?

A

アレルゲン免疫療法という治療法があります。これは、花粉症の原因となっているアレルゲン(抗原)エキスを、注射や舌のうらからの投与により体の中に少量ずつ取り入れることによって、逆にアレルゲンへの反応を弱めていくという、比較的新しい治療法です。症状が重い人でも根本的な体質の改善が期待でき、スギ花粉症に対しては70%前後の改善が認められています。
一方で、2~3年以上の長期間にわたって治療を受ける必要があります。また、治療中はアレルギー反応の副作用がみられることもありますので、アレルゲン免疫療法を受けるかどうかについては、医師とよく相談してください。
なお、対象となる花粉の種類は、現時点ではスギ花粉のみです。

Q

鼻づまりがひどく、薬を飲んでも効きません。効果の高い治療法はありますか?

A

花粉症の症状のなかでも鼻づまりが特に重い人に対する治療法として、手術療法があります。鼻の通りをよくすることを目的に、鼻の粘膜を切除する手術です。レーザー手術装置の進歩によって、今は出血なく、日帰りで治療を行える医療機関も多くなりました。
また、最近は鼻水をとめることを目的として、鼻に通っている神経を切断する手術も広まってきています。ただし、その効果は長期間続くとは限らず、再発することもあります。
手術療法を受けるかどうかについては、医師とよく相談してください。

Q

花粉症によって、症状以外に影響を受けることはありますか?

A

花粉飛散量が通常の2008年と通常の2倍の2009年の2年間、大阪大学の研究者らが、大阪府と兵庫県のスギ花粉症患者に対して行った、花粉飛散のピーク時に自己記入式のアンケート調査(※)によると、スギ花粉症により、仕事・勉学の能率が通常で約3割、花粉の多い年は約4~5割低下することがわかりました。

まず、「労働時間損失率」と「勉学時間損失率」のグラフを見ると、スギ花粉症によって、仕事や勉強がまったくできない時間はほとんどなかったようです。
しかし、「労働能率障害率」「勉学能率低下率」については、いずれも2008年には約30%の低下が示されています。
これは、回答者が「ご自分の能率が約30%低下した」と感じていることを示しています。
花粉の飛散が多かった2009年にはさらに影響が大きくいずれも約40%低下したとの結果になっています。
「全般労働障害率」「全般勉学障害率」「日常活動障害率」についても同様の結果となりました。

この研究により、花粉症のビジネスパーソンはシーズン中に労働生産性が約3割障害されており、大量飛散年にはその影響がさらに強まることが示されました。
勉学に対する障害については、授業受講者の回答者数が少なかったためにこの結果だけで解釈するのは難しいのですが、勉学に対しても花粉症が影響を及ぼしていることが示唆される結果であり、さらなる研究が求められます。
短い期間とはいえ、スギ花粉症シーズンの2~4月は、仕事であれば決算や転勤、学生であれば受験や期末試験など、重要なイベントが予定されているシーズンです。
ご自分の症状に最適な治療を受け、花粉マネジメントを心がけましょう。

(※「WPAI-AS」というアレルギー性疾患患者を対象としたアンケート評価の一つ)
(南由優ほか: 日鼻誌. 49(4), 481, 2010)

Q

花粉症治療をすでに始めていて、もともとの症状の重症度(レベル)がわかりません。

A

すでに医療機関で治療を受けていて、症状が軽快している花粉症患者さんで、ご自分の症状の重症度(レベル)を確認したい場合は、まず診断を受けた医療機関の医師に確認してみることをおすすめします。現在の治療の「強さ」のレベルを確認することで、重症度をある程度推測することもできますので、一度、医師へ相談してみてください。

Q

症状のタイプやレベルに応じて、薬は変わりますか?

A

花粉症は、通常は症状の病型(タイプ)と重症度(レベル)で分類されます。薬物治療でどの薬を用いるかは、まず医師が症状のタイプとレベルを考慮して選択し、そして患者さんの状態や希望に応じて決定されます。具体的な選択のパターンは、下の表のようになります。

どの病型・重症度の患者さんにも「くしゃみ・鼻漏(鼻水)」に対する飲み薬である抗ヒスタミン薬がよく処方されます。
さらに「鼻閉型」の患者さんに対しては、鼻スプレータイプの「鼻噴霧用ステロイド薬」や飲み薬である「鼻づまりの薬」が処方されることも多いです。
重症度が高まるのにともない、複数の治療薬を組み合わせて処方されます。

さらに、「中等症」「重症」に対する治療を行っても、重い症状が残っている鼻閉型の患者さんには、鼻スプレータイプの「点鼻用の血管収縮薬」や、飲み薬である「経口ステロイド薬」を、副作用に気をつけながら短期間使用することもあります。

眼の症状に対しては、主に目薬(点眼薬)が処方されます。抗ヒスタミン作用のある成分を含む点眼薬や、ステロイドを含む点眼薬がありますが、ステロイドを含む点眼薬は症状が重いときのみ一時的に使用するのが一般的です。

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